1年次の学びで得たもの
1年次は、当初の希望であった経済学だけでなく、学科にとらわれず興味ある授業を履修しました。広く学ぶなかで、自分の将来についてのビジョンが具体的かつ明確になったと思います。
1年次の必修英語は教材に沿った座学ではなく、英語でディベートやプレゼンテーションを行う授業でした。テーマに沿って自分の考えを英語で表現することはむずかしく発言に気後れしてしまうこともありましたが、とまどっていると先生がすぐに理解してアシストしてくださいましたし、一緒に学ぶ仲間と助け合い、実践的な学びを通じて、英語力は飛躍的に高まったと感じています。
また、「経済理論入門」や「国際経済学」の授業はとても面白く、あらためて経済学を学びたいと思うきっかけとなりました。これは、企業での就業経験を持っておられる教授が、ご自身の豊富な経験から、抽象的な経済理論を日常の事柄につなげて私たち学生にかみ砕いて話してくださるので、難しい経済理論を身近に感じることが出来たのだと思います。
この授業を受けたことで、社会と経済の関係を、よりグローバルな視点から学びたいと思い、国際交流学科を専攻し、教授が担当される国際経済ゼミに所属しました。
国際経済ゼミで学んだこと
国際経済ゼミでの学びには、一人ひとり与えられた経済学の本を読み込み、その内容を要約して他のゼミ生に説明する「輪読」や、他大学で経済学を学ぶ学生と論文を作成?発表しあう「インターゼミナール(インゼミ)」(3年次)などがあり、卒業論文を含めこのゼミで得たことからは、その後の自己形成においてもとても大きな影響を受けたと感じています。
インゼミでは、ゼミ生9人で一つの論文を作成し、聖心女子大学代表として「The US-China Trade War-The bottom line of Trump’s deal」という論文を執筆しました。卒業論文の準備という位置づけもあり、1年かけて論文作成に取り組みます。1人で論文を作成するのと違い、9人それぞれに考えがあります。それを一つにまととめるため、時間をかけてディスカッションを重ねました。
私はゼミ長として、論文の構成を考えメンバーに役割を振り分けるのですが、一人ひとりのモチベーションも違うため、振り分けるというよりも、並走し寄り添いながら進めていったように思います。自分自身は、日本語で作成した論文を英語に翻訳し直すことを主に担当しており、大変な作業ではありましたが、この論文を完成させたことで、「論理的思考力」「統率力」が身についたと感じています。この経験が、どんなことに対しても粘り強くあきらめないという、強みと自信になりました。
また、国際交流学科は、他学科と違って3年次まで英語の授業があり、グローバルに仕事をしたいと思っていた自分にとって、英語力を高めることが出来たことはとてもありがたいことだったと感じています。
卒業論文は、日本の管理職におけるジェンダーギャップの問題を取り上げました。ちょうど就職活動をしている時期でもあり、OG訪問をすると、エネルギッシュに働いていらっしゃる先輩が多いのに、女性の管理職が少ないことに疑問を感じました。そこで、女性の管理職率の高い企業と利益の割合を調べ分析し、女性の活躍による企業利益を数値化しました。さらに分析結果からピックアップした企業で管理職として働いている8人の方にインタビューをさせていただき、政策?利潤?意識の面から优德体育,优德w88体育appしました。この优德体育,优德w88体育appは、自身のキャリアを改めて考えるきっかけにもなりました。また、インタビュー対象の方を先生に紹介していただいたり、OGの方が協力してくださったりと、聖心だからこそ、完成度の高いものが出来たと思っています。
大学での多角的に物事を捉える学びが、就職につながった
就職活動は、2つの軸を立てて行いました。一つは、グローバルに活躍できる仕事であること、もう一つは、社会貢献をじかに感じることができる仕事です。そのなかでも医療業界、総合商社にフォーカスを充て、卒業後は、医療機器?医療用医薬品を扱うヘルスケアカンパニーの日本法人に入社しました。
これは、幼少期に海外で過ごした経験や、ゼミでグローバルかつ多角的に物事を捉えることを学んだからこそ出てきた選択肢だと思います。医療業界を選んだのは、親族が病気を患ったことで医療の意義を強く感じたことが大きいです。
入社当初、医療知識は全くない状態でしたが、研修を重ね、医療の周辺知識を身につけていきました。医療の現場は、治療法など日々めまぐるしく変わるので、そのつどキャッチアップして、自己トレーニングは欠かさないようにしています。入社から2年間は日本法人で働いていましたが、当初希望していたグローバルに働きたいという思いを実現するため、昨年からはシンガポール法人で、Clinical Account Specialist(臨床アカウントスペシャリスト)として手術に立ち会い、医師や技師とコミュニケーションを密に取りながら、製品の使用をサポートしています。医療従事者の方々と一緒に治療に臨み、患者さんの回復に携われることにやりがいを感じています。
グローバルな環境で働くということ
現在働いているシンガポールには、さまざまな人種の方がいらっしゃいます。文化も価値観も宗教も違う人たちの集まりです。聖心で学んだ「広い視野を常に持ちながら柔軟に、多角的に行動すること」をまさに実践する場となっていることを痛感しています。赴任したばかりの頃、自分の常識、価値観が全く通用しない現実に直面しました。無意識のうちに、自分の常識を基準に物事を判断し、相手にもそれを期待してしまっていたのです。そのことに気づいてからは、相手の文化や背景をまず理解しようと努め、「なぜそう考えるのか」に真摯に耳を傾けるようになりました。聖心での学びが「羅針盤」となり、いまは、他者に寄り添いながら共通点を探るように努めています。
シンガポールでの刺激的な日々は、学びが単なる言葉ではなく、多様な価値観の中で自分自身の価値を見出し、しなやかに協働していくための「活きた力」であることを、毎日私に教えてくれています。
これからも、聖心女子大学を卒業された渡辺和子さんの「置かれた場所で咲きなさい」という言葉を胸に、努力を惜しまず、どんな場所にあっても大きな花を咲かせられる女性になる努力をしていくつもりです。
- 国際交流学科
Johnson&Johnson International(Singapore)Pte Ltd勤務
国際交流学科 2021年3月卒業
※所属?肩書きを含む記事内容は、インタビュー時(2025年)のものです。