基礎課程で幅広く学んだことで自分の関心を多角的に深められた
大学に入ってまず感じたのは、常に「自分の意見」を求められること、そして、授業で学んだことを他の分野や日常生活と結びつけ、「実践につなげる」ことが求められている、という点です。
1年次に履修した「教育学入門」は、教育学科の先生方が、保育?幼児教育から教育思想史、国際理解教育、児童福祉、教育方法学など、それぞれの専門分野から「教育学」を解説してくださり、それまで私がイメージしていた「教育学」よりもはるかに幅広く、多様な角度から学ぶことができました。
なかでも、2つの授業が特に印象に残っています。
1つは、「ICTを活用したこれからの学び」についてです。生徒自身が情報を取捨選択し、対話や協働を通して思考する「知識創造型授業」という概念は、決まった答えを求める講義型教育を受けてきた私にとって、非常に新鮮で興味深いものでした。
もう1つは、「国際教育の課題」です。戦争や貧困が引き起こす教育格差が、世界全体の発展の妨げになっている現実を知りました。これを遠い世界の話で終わらせず、自分にできることから行動し、子どもたちの幸せや、より良い社会づくりに貢献したいと考えるようになりました。
このように、1年次に初等教育から地球規模の課題まで幅広く学び、自分の関心を多角的に深められたことが、教育学科へ進む決め手となりました。
丁寧に物事を考えていける人間でありたい
課外活動は、2つのボランティアサークルに所属しています。そのうちの1つ「Fuku×Fukuプロジェクト」は、東日本大震災で被災した福島県南相馬市を盛り上げようと立ち上げた団体で、地元の高校生が企画開発を行った菓子や地元食品を学内バザーや学園祭で販売したり、災害公営住宅にお住まいの方々に、年に4回お手紙を書くなどの活動を行っています。現在は代表を務め、昨年度は聖心女子大学学長賞をいただきました。
活動を続ける中で「体験」と「対話」の重要性を実感したのは、2年次にボランティアとして南相馬市を訪問した時です。震災から10年以上経ってなお復興が進んでいない現状と、活気を取り戻しはじめた地域という両面を目の当たりにしました。また、地元の方々と直接お話するなかで、報道からだけでは見えてこない実情を知り、自分のなかにある先入観や思い込みに気づくきっかけとなりました。この「現場の実情を知る」という経験は、3年次後期からの优德体育,优德w88体育appにも大きく影響しています。教育現場におけるICT機器の活用についての优德体育,优德w88体育appを進める上でも、理論だけで判断すると、「机上の空論」になってしまうという意識を常に持つようになりました。
将来社会に出てからも、この姿勢を忘れずに、現場や人々のリアルな声に耳をかたむけながら、丁寧に物事を考えていける人間でありたいと思っています。
真の豊かさとは何かを考える
优德体育,优德w88体育appを進めるなかで、教育は単なる「学習」に留まらず、本来は「誰もが生き生きと学び、豊かな人間性を育む」という第一義的な意義があることを再認識しています。
他者理解や多文化共生、生涯教育といった多様な視点を通し、人がよりよく生きるための仕組みや環境について考察するうちに、「何のために学ぶのか」を常に自問するようになりました。そして、学ぶことが自身の生き方に直結していると実感し、「人々の幸福にどう関われるか」という関心へと発展していきました。
例えば、ある授業では、先進国と途上国の家族がそれぞれ家財道具一式と共に写る写真を見て、どちらが幸福かを問われました。ディスカッションでは多様な意見が交わされ、視点によって幸福の尺度が変わることを実感し、真の豊かさとは何かを深く考えさせられました。
2年次に所属した教育思想?哲学ゼミでは、20世紀初頭に拡がった「新教育運動」について学びました。100年以上も前に、知識詰め込み型教育を批判し、子どもの自発性を重視する教育(現在のアクティブラーニングの原型)が提唱されていたことに驚くと同時に、それが現代の教育現場にいまだ十分に普及していない現実に衝撃を受けました。
また、ゼミは少人数制であったため、他の学生の意見や考え方にじっくりと触れることができました。自分にはない視点に多く気づかされ、学びの幅が広がると同時に、ゼミでのディスカッションに備えて文献を深く読み込み、自分の考えを言葉にする準備を徹底するようにもなりました。
4年間の学びで得た「物事を多面的に捉える視点」や、「人は何のために学ぶのか」という問い、そして課外活動で培った「先入観なく現場を見る意識」を失うことなく、これからも他者のために行動できる人間でありたいと思います。
- 教育学科
※所属?肩書きを含む記事内容は、インタビュー時(2025年)のものです。