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「違い」を理解することで社会のなかに新しい枠組みが生まれる

  • 人間関係学科

岡 遥花 Haruka Oka

聖心を志望した一番の理由は「選択肢の幅広さ」です。また、少人数教育で、先生から直接の指導の機会が多いと思われること、さまざまなことにチャレンジできる可能性がひろがっていることなどからも、ぜひ入学したいと思いました。

ものの見方と考え方の基礎を学ぶ

実際、入学して一番に感じたのは、学修環境が整っていることと、どの先生も丁寧に指導してくださることでした。基礎課程演習では、レポートの書き方を1から丁寧に教えていただきました。入学時から大学では語学に力を入れたいと考えていたこともあり、語学検定問題集などのテキストや映像なども自由に使え、自習できる環境が整っていることはとてもありがたかったです。また、1年次の英語の授業では、書かれていることを批判的に読むということや身近な話題や様々な社会問題について英語で意見を述べるということを通じて、語学だけでなく、国際的な問題への興味につながりました。

基礎課程演習は、高校時代に中国語を学んだ経験から、台湾?中国の文化や社会問題を考察するゼミに所属しました。ゼミでは、纏足(てんそく)の歴史について学びました。BE*hive(※)での「美か束縛か」という纏足をあつかった展示を通じ、それまで纏足を「虐待に近い束縛」と考えていた自分の視点が変わりました。当時の社会的背景や文化を知ると、それが必ずしも「束縛」の一言では片づけられないこと、例えば「美の象徴」として捉えられていた側面や、その風習のなかで生きるためには必要とされていた側面があったことを学びました。
また、歴史的観点と照らし合わせて考察することで、現代でも、#KuToo運動に見られるハイヒールの問題や、女性の生き方や社会の問題につながっていることに気づかされました。このゼミを通じ、物事を多面的に見ることや、日常のなかにあっても、歴史的?文化的背景を知ったうえで考えることの重要性を痛感しました。

1年次に受けた授業でもうひとつ印象的だったのは、人間関係学科の「ファン心理」の授業です。アイドルが好きだとか、このテレビ番組が面白いということが、学問に繋がるとは考えたことがありませんでした。しかしこの授業では、そうした心理を社会心理学の理論的枠組みから捉え直し、歴史や社会問題といかにつながっているかを考察しました。こうした、人間関係学科の学びの幅広さと面白さに惹かれ、人間関係学科を専攻するきっかけになりました。

(※BE*hiveは、聖心女子大学4号館にある地球規模課題をテーマにした展示とワークショップを行うイベントスペース)

留学で得た自信と自己

2年次の終わりには、半年間、韓国の協定校に交換留学しました。留学は入学当初からの目標で、主な目的は、「新たな環境で自立した自己を形成すること」と、以前から学んでいた「韓国語のスキルを向上させること」でした。留学生活は半年間でしたが、留学生向けの語学研修ではなく、現地の学生と同じ授業をすべて韓国語で受けるというものでした。その困難さから、他の日本人留学生がつぎつぎと受講を取りやめていくなか、「最後までやり遂げよう」と決め、教授に直接質問に行ったり、授業を録音したりしながら必死に取り組みました。この経験は、大きな自信につながったと思います。
特に成果を実感できたのは、「日韓文化の理解」という授業です。最終課題のグループ発表では、1年次に「源氏物語」の授業で学んだ日本文化の知識を活かし、日本人だからこその視点を取り入れることで、韓国人しかいない他のグループとは違う観点の発表ができたと自負しています。また、その後の質疑応答も韓国語で対応できたときは、大きな達成感がありました。
この留学を無事に終えられたのは、国際センターの方々が、留学手続きのことや選抜試験、そして留学中の相談まで親身にサポートしてくださったおかげでもあり、とても心強かったです。

どんな物事も多面的に掘り下げることで見えてくる世界

人間関係学科では、文化人類学を専攻しています。社会心理学と文化人類学で迷いましたが、異文化に触れて視野を拡げたいと思ったことと、留学の学びを生かした卒業論文が書けることなどが決め手となり、文化人類学に進みました。
学科では、多様な文化の比較优德体育,优德w88体育appを通し、より良い共生社会のあり方を考察しています。また、異文化というと海外の文化と思いがちですが、国内においても、職業や地域、生まれもった環境など、さまざまな文化的な違いがあります。
調査実習の授業では、グループで、つまみ細工の職人の方にインタビューをしました。事前优德体育,优德w88体育appでは、後継者不足や需要低迷といった伝統を守ることの難しさなどの問題に焦点を当てていました。が、直接お話を伺うと、そこには時間をかけて技術を磨く職人としての誇りに満ちた生き方がありました。また、つまみ細工を実際に体験してその繊細さと技術の高さに触れたことで、自分たちがいかに「思い込み」を持ってみていたことを痛感しました。こうした実践的な学びを通じ、まずは自分自身の先入観を自覚すること、そして他者との対話や実体験を通じて視野を広げることの重要性を強く学びました。

文化人類学のゼミでは、卒業論文の執筆に現地調査(フィールドワーク)が必須となっています。そこで、自身の留学経験に基づき、韓国の女子大生が『学歴社会』という環境でどのように生きているかというリアルな姿を优德体育,优德w88体育appしています。
韓国の学歴意識の高さは日本以上で、等級(トゥングプ※日本の偏差値のようなもの)を意識するあまり学歴コンプレックスにもつながる状況を体感しました。滞在先の寄宿舎でも、テスト前に深夜まで図書館にこもって勉強したり、自習スペースが早朝には満席になってしまうなど、時間を惜しんで学ぶ姿に強い刺激を受けました。
この韓国の学歴社会をひも解くことが、同じような社会問題を抱える日本の教育格差や学歴重視の社会構造を解決するヒントにもつながるのではないかと考え、优德体育,优德w88体育appを進めています。

大学での4年間の学びは、大切な「出会い」と「発見」をもたらしてくれました。文化人類学の魅力は、フィールドワークに行って直接学びを得られることだと思います。予想外の出来事に遭遇することもあります。しかし、そうした体験を通じて、自分自身の常識や「当たり前」が揺さぶられることこそ、文献からだけでは決して得られない魅力だと感じています。こうした経験こそが、多様な価値観を尊重する土台になると学びました。
これからの国際社会を生きるひとりとして、この経験で培った他者への想像力と、背景を理解しようとする姿勢を活かし、社会貢献していきたいと思います。

  • 人間関係学科
岡 遥花 Haruka Oka

※所属?肩書きを含む記事内容は、インタビュー時(2025年)のものです。

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