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チャレンジすることで見えてきたアイデンティティ

  • 国際交流学科

伊藤 茜 Akane Ito

中学生のとき、マレーシアに短期留学しました。海外の文化にふれることが目的でしたが、現地の学生やホームステイ先で日本文化について聞かれることが多く、自国の文化をもっと深く知っておくべきだったと感じました。また、急速に発展する都市部の活気ある雰囲気に触れ、日本とは異なる価値観や生活環境が広がっていることにも驚きました。この経験から、大学では、国際的なコミュニケーション力を身につけることと、日本文化の継承と日本文化を発信することとを両立させたいと考えるようになりました。 聖心女子大学は、国際的な視野を大切にしている大学であり、日本人初の国連難民高等弁務官を務めた緒方貞子さんをはじめ国際的に活躍された卒業生が多くいらっしゃることも、志望した理由の大きな理由です。

健全な国際社会であるために自分にできることは何かを考える

1年次の基礎課程演習では、特に難民問題への理解を深めたいと思い、「緒方貞子さんの回顧録から考える日本と世界の近現代史」を受講しました。この授業は、以降の大学生活における学びの基盤となるふたつの重要な学びを与えてくれました。一つは、レポート作成や参考文献の活用法といった「学術的な基礎スキル」です。
もう一つは、国際問題を考察する上で不可欠な「客観的な分析姿勢」です。例えば、難民問題を「可哀そう」といった感情論で終わらせるのではなく、主観を排し、事実を多角的に収集し、その背景を冷静に分析する姿勢の大切さを学びました。学科選択のきっかけとなった授業に、「国際交流入門」があります。「国際問題?国際交流」と一口に言っても、政治?経済?文化?人権など、多彩な学問分野があり、課題解決には、問題を複合的に捉えることが重要であるということを実感しました。なかでも、2年次生がプレゼンテーターとして登壇したジェンダー問題の発表に、強く引き込まれました。堂々と意見を述べる上級生の姿に刺激を受けると同時に、それまで知らずにいた途上国における児童婚の問題や、「性」による教育格差といった現状に衝撃を受けました。これらの問題は、遠い国の関係ないことでは済まされず、健全な国際社会の実現のために自分にできることは何かを深く学びたいと思うようになりました。

また、1年次にBE*hive(※)での人道支援に関する展示を見学し、グローバル共生优德体育,优德w88体育app所主催の難民支援ワークショップにも参加しました。そこでは、難民問題の現状や背景を学んだ後、参加者同士で意見交換を行いました。具体性をともなわない感情論としての「支援すべき」という意見に対して、ある留学生が「見下しているように聞こえる、机上の空論だ」と指摘し、その当事者意識や視点の違いに衝撃をうけました。あらためて、国際社会が抱える課題の複雑さを実感するとともに、物事を多角的に捉える広い視野を養い、国際的に貢献できる力を身につけたいと思うようになりました。

(※BE*hiveは、聖心女子大学4号館にある地球規模課題をテーマにした展示とワークショップを行なうイベントスペース)

学科の学びで得た自分の考えを言葉にして伝える力

学科では、実際に社会で起きている問題をテーマにプレゼンテーションやディスカッションを行います。情報の真偽や偏りを見抜くために、批判的思考が要求されると同時に、問題の前提や背景を問い直すことが求められます。また、多様な意見が飛び交うなかで「正解がない問い」に向き合うことの難しさと面白さを、日々の学びのなかで実感しています。こうした学科での学びを通して、周囲の意見に丁寧に耳をかたむけながら、自分の考えを言葉にして伝える力が身についたと感じています。また、学科での学びは、マレーシアでの短期留学をきっかけに日本文化を深め広めたいと始めた着物の着付け講師としての活動にもつながっています。「伝える」ということは、単に知識や技術を一方的に教えることではありません。学科で培った多角的に物事を捉える視点があったからこそ、対話しながら文化を共有することの大切さに気付くことができました。知識の共有だけでなく、相手を深く理解し、尊重しあう姿勢こそが「伝える」ことの核なのだと、学科での学びと着付けという実践の場の両方を通して実感しています。

また、より国際社会で応できるスキルを身につけたいと思い、3年次にカナダで短期の語学留学を経験しました。留学先の学校には、スペイン語圏、フランス語圏など多様な国出身の学生がいて、そうした学生との交流を通して、異文化を肌で感じることができました。さらに現地でのホームステイも経験したことで移民問題の現状についても気づきが増えました。留学先で選択したビジネスの授業では各国の輸出入製品について議論を行いました。他国の学生が、自分よりも日本企業をよく知っていて、日本のものづくりの技術が海外で高く評価されていることに、とても驚きました。これまで、どこか日本よりも海外の方が優れていると思い込んでいた自分自身に気づき、この経験から、日本のものづくりに携わり、その魅力を世界に発信できるような仕事がしたいと思うようになりました。

課外活動で実感した聖心らしさ

課外活動は、TEDxUSHに所属しています。日本でも多くの大学がTEDと連携したイベントを主催していますが、TEDxUSHは、日本の女子大学で唯一TED(※)本部から公式ライセンスを取得し、トークイベントを主催?運営する団体です。
昨年は、TED代表として11月にイベントを開催しました。スピーカー選定や、協賛企業への営業、広報ブランディング、さらにアメリカのTED本部との英語でのライセンス交渉など、準備活動は多岐にわたり、イベントを成功させるためには、高いチーム力が求められました。リーダーとしてチームを支えるために役立ったのは、国際交流学科の「リーダーシップ論」の授業です。授業のなかで、問題が起こった時の対応について、役職者とメンバーなどに分かれそれぞれの立場からディスカッションを深め、上からの単なる指示だけではメンバーの主体性は育たないことを学びました。TEDxUSHのリーダーとして、一人ひとりとコミュニケーションを密に行い、「やりがい」を感じることは何か、適していることは何かを考え、同時に、その都度メンバーに対してタスク達成への感謝を伝えることを心掛けました。
また、企業に協賛をお願いする際には他大との差別化を意識し、自団体だけの強みやブランディングを追究したことで、「聖心だから」と協賛してくださる企業も増え前年比約280%を達成することが出来ました。この成果は、小さな準備も丁寧に続けたこと、そして「人との繋がりを大切にし、人のために尽くす」という聖心スピリットをチームで体現できたからだと実感しています。

(※TEDは、テクノロジー?エンターテイメント?デザインが頭文字となる、国際的な講演をオンラインで無料配布するアメリカ発祥のトークカンファレンス組織。)

自分の置かれた環境で、出来る限り行動?挑戦してみること

聖心での4年間を通して感じたのは、「自分の置かれた環境で、出来る限り行動?挑戦してみること」の大切さです。卒業生の渡辺和子さんも「置かれた場所で咲きなさい」という言葉をおっしゃっていたように 聖心には、チャレンジできる機会があちこちに広がっています。そうした機会に挑戦し、社会課題などを「他人事ではなく、自分ごととして考える」経験を積み重ねていったなかで、「自分は何を大切にし、何をすべきか」を問い続けたことが、少しずつ自信となり、自分自身の軸(アイデンティティ)の確立に繋がったと実感しています。社会に出てからも、4年間に得た全ての経験を生かし、異なる立場の人に寄り添うことを実践していきます。

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伊藤 茜 Akane Ito

※所属?肩書きを含む記事内容は、インタビュー時(2025年)のものです。

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