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寄り添う教育、伝える文化ー日本語教育で見つけた私の目標

  • 日本語日本文学科

棟方 柚香 Yuuka Munakata

聖心女子大学の优德体育,优德w88体育appで、日本語日本文学科の教員による「やさしい日本語」の模擬授業を受けました。この授業で、日本の公共の標識はローマ字や英語が混在しており、外国籍の方々にとって、生活の障壁となっているという問題点をはじめて知り、聖心の学びに興味を持ちました。
さらに、アカデミックアドバイザー制度(※)による手厚いサポートがある点や、1年かけて自らの関心分野を再考し、他分野との繋がりを考えながら、学びを深めることができる点にも大きな魅力を感じました。
(※基礎課程での1年間、基礎課程演習担当の専任教員が1年次生の学びから大学生活までをサポートする制度)

1年次の学びで得たもの

基礎課程では、レポートをはじめ、リアクションペーパーの書き方、図書館のオンラインデータベースを使った調べ学習など、大学での学修の基礎となることを学ぶことができ、その後専門分野に進んでからの学びをスムーズに進めることが出来ました。ある授業では、毎回、先生が示す授業のキーポイントとなる言葉(3~4個)を踏まえ、授業内容を400字に要約する課題がありました。自分の言葉で言い換えてから、授業内容を振り返るという作業を通じて、自分で構成し表現する力がついたように思います。また、高校までは「受け身」の授業が多かったため、グループワークや発表に苦手意識がありましたが、1年を通して、間違いを恐れず意見を述べられるようになりました。友人との意見交換から新たな視点が得られることも楽しく、主体的に学ぶ姿勢が身につきました。

印象深い授業は、古典文学を日本語学的視点から読み解く「日本語学优德体育,优德w88体育app」です。当初は難しく感じましたが、「講義を積み重ねれば必ず理解できる」という先生の言葉に励まされ、授業についていくことができました。具体的には、写本のくずし字や変体仮名を解読する実践的な演習に加え、『徒然草』の写本(人によって書き写されたもの)と版本(版木にほって印刷した書物)の比較分析を行いました。ひらがな一文字の有無が表現やニュアンスを大きく変えることに面白さと奥深さを感じました。
最終的には、語彙や文法、歴史的変化を統合的に理解できるようになり、高い達成感を実感しました。また、受講生との意見交換やリアクションペーパーを通して理解度を客観的に確認できたことが、能動的かつ意欲的な学びにつながったと感じています。

「読む」ことの奥深さと面白さを知った

日本語学では、日本語のルーツ、古代から現代に至るまでの言葉の移り変わり(音、文法、表記の変化など)や、日本語の語彙の意味、成り立ち、変遷などを探究しています。そこで、古典文学と日本語学との関連を学びたいと思い、日本語日本文学科に進みました。

「日本語学演習」は、日本語の文法について、他の学生に発表?説明する授業です。先生が指定した参考文献を軸に、他の文献も読み込んで発表資料を作成します。さらに内容をそのまま引用するのではなく、自分の言葉に言い換えることやイラストや自作の例文などを用意し、聞き手が楽しく知識を定着させられるように、クイズやタスクの時間を設けるなどの工夫をしました。
また、授業には、日本語を学習中の留学生もいて、「は」と「が」の違いや、「かも」と「である」の違いなど、留学生が理解しにくい文法を、留学生の母語や文化的背景を考慮しつつ、どうすれば明解に伝えられるかを常に検討しました。こうした積み重ねで、文法知識を体系的に整理する力や「日本語学」と「日本語教育学」の両方の力がついたように思います。

『古典文学演習』は、江戸時代の版本を実際に読んで、くずし字の読解力(平仮名と簡単な漢字)を身につける授業で、菱川師宣絵本の『美人絵づくし』を扱いました。一人一話を担当して、翻字?語釈?現代語訳?典拠などについて発表するのですが、私はもともと興味のあった「平家物語」の『敦盛最期』が典拠である話を担当しました。この話を題材にした古典作品はいくつかあり、それらの作品を比較分析をしていくと、話の展開や登場人物の違いなどの相違点に気づきました。さらに読み解いていくことで、登場人物が立体的に浮かび上がってきて、主体的に学修することの面白さを実感しています。また、「美人絵づくし」のなかには、説明文と絵があっていないものもあり、考察をしても、結果単純な間違いや誤記などもあるということも知って、面白いと思いました。

日本文学と日本文化発信に懸ける想い

大学1年次に、大学のプログラムである海外の方向けの日本語教室に参加した際、学習者の質問に答えられず力不足を痛感したことが、日本語教育に関心を持つきっかけとなりました。この経験から、単なる知識伝達ではなく、学習者の文化的背景に寄り添った「安心できる学習環境」の必要性を強く感じました。
2年次からは日本語教員課程を履修し、対象によって最適な教授法が異なることや、完全な正解はないことを学びました。また、指導者と学習者が共に成長する「共学習」の考え方に触れ、日本語教育の実践的な学びを得ることが出来ました。
将来的には、大学で専攻した古典文学や日本語学の知識を活かし、言語教育に留まらず、日本文学や日本文化の素晴らしさを発信する活動にも貢献したいと考えています。また、若い世代が古典に親しめるようなコンテンツ制作にも携わっていきたいです。

  • 日本語日本文学科
棟方 柚香 Yuuka Munakata

※所属?肩書きを含む記事内容は、インタビュー時(2025年)のものです。

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